昨日は渋谷の「クラブクアトロ」で遠藤賢司さんのライヴに行ってきました。前日にも同じ場所でライヴが行なわれ、そちらに登場したゲストは、泉谷しげる、曽我部恵一、土屋昌巳、口笛太郎。こちらにもそそられましたが、さすが二日続けては体力的に無理なので、頭脳警察に惹かれ、二日目を観てきました。
頭脳警察、懐かしいですね。ステージに登場したのはPANTAとTOSHIに菊池琢己。1970年だと思いますが、日比谷の野音で初めて観たグループのサウンドと歌は衝撃的でした。その衝撃が、昨日の「クアトロ」で久々に思い出され、青春の炎が心の中で燃えたぎりました。ただし、昨日は3人編成だったので、おとなし目の頭脳警察でしたが。
エンケンも元気です。清志郎がいない今、日本のロックが歌えるのはエンケンだけかもしれません。かなり独善的なロックンロールですが。
エンケンを最初に観たのも日比谷の野音だったかもしれません。彼のHPにはこんなメッセージが書かれています。
遠からん者は 音にも聞け
近くばよって 目にも見よ
我こそは 千代に八千代に
我が代の男
姓は遠藤 名は賢司
人呼んで 天下御免の純音楽家
先日出た最新作『君にふにゃふにゃ』も買いました。デビュー40周年ということで、バックのメンバーも、石塚俊明、上原“ユカリ”裕、鈴木 茂、林 立夫、細野晴臣、湯川トーベン他と豪華です。ディスク・ユニオンで予約をしたら、本人のサインが入ったジャケットがもうひとつついてきたので、これは嬉しかったですね。
ぼくより3歳年上のエンケン。とってもじゃありませんが、この元気いっぱいな姿にはかないません。その迫力だけでも圧巻ですし、爆音に身を浸していると、このひと、昔より過激で疲れ知らずで、超人の域に達しているなぁとつくづく思いました。
元気いっぱいといえば、話はまったく違いますが、ジュリーの6枚組ライヴにもびっくりしました。昨年、還暦祝いのコンサートを東京ドームで開いた際の完全実況録音盤です。6時間、全80曲を、途中で一度休憩しただけで最後まで歌いきっています。しかも、徐々に声が出てくるようになるんですから「凄い」のひとこと。最後の挨拶ではまだ余裕が感じられました。
嬉しかったのは、元気なことだけでなく、タイガース時代から最新の歌まで、アレンジも歌い方もオリジナルに準じていたことです。ぼくが嫌いなのは、昔の歌をフェイクして歌うひとです。自分のヒット曲を何十年も歌っていれば、ちょっとメロディやアクセントをいじってみたくなる気持ちはわからないでもないです。でも、オリジナルの歌が刷り込まれているぼくには、とくにヒットした曲は妙に変えてほしくないんですね。その点、ジュリーはえらい!
最初、ぼくは、生涯を代表するこういうイヴェントなら、タイガースやPYGを再結成してほしいと思ったのですが、このCDを聴いて、そうしなくて正解だったと思いました。余計な要素は一切無用。ジュリーはその歌と存在感だけで6時間半のステージを悠々とこなしていたからです。
ウィークデイの午後からでなければ、絶対に行っていたコンサートです。行けなかったのは無念ですが、完全収録されたこのCDもぼくの宝物のひとつになりました。