気になっているギタリスト、ニコラ・コンテのステージを「ブルーノート東京」で観てきました。今回が2回目の登場です。前回の来日ステージを見逃していたので、今回はなにがなんでも観たいと思っていました。
このひと、なかなか不思議なギタリストです。まず、あんまり上手じゃありません。なので、ソロを弾いているときは「大丈夫かなぁ」なんて心配しながら聴くことになります。そのことは自覚しているようで、本人もあんまりソロを弾きませんし、なるべく目立たないところでちょろっと短いプレイをするだけ。しかも、そういうときに失敗したりして、なかなか憎めないギタリストでした。でも全体のパフォーマンスはなかなか面白くて、最後まで飽きません。
謳い文句は「クラブ・ジャズ」。でも、どうなんでしょう。こういうジャンルわけ、ぼくにはよくわかりません。お客さんにアピールする上では意味があるんでしょうけど、ストレート・アヘッドなジャズであることに変わりはありません。
メンバーではトランペッターのファブリツィオ・ボッソとシンガーのアリーチェ・リシャルディがよかったです。あと、ドラマーのテッポ・マキネン。このひと、セットを低めにセッティングし、長身なのでドラムスに覆いかぶさるようにして叩きます。この姿がけっこう様になっていました。ルックスは昔のトロイ・ドナヒューを少し野暮ったくしたような感じで、こちらも好感触。とくに美男子ってわけじゃないですけど、こういう見映えのひと、わりと好きです。
ライヴはとてもよかったです。ジャズはかっこよくなくちゃ、というのが昔からの思いですから。演奏内容も大切ですけど、やっぱりかっこでしょ。そう思って40年以上聴いてきました。ですから、最近ジャズがファッショナブルなイメージを強くしている傾向、ぼくは嬉しく思っています。で、このニコラ・コンテも、すごくお洒落とまではいきませんが、そこそこかっこよかったです。
ぼくもこういうバンドならいつか作れるかもしれません。プロのうまいミュージシャンを集めて、自分はたまにギターを弾くだけ。要はリーダーというよりオーガナイザーとかプロデューサーですね。どんな音楽を演奏したいか、バンドのコンセプトを考えてメンバーを集める。メンバーから見たらお邪魔虫でしょうが、それで自分も一緒にステージにのぼっちゃう。そこはリーダーの特権です。なんてことを、帰りにひとりで車を運転しながら妄想していました。