3日の金曜日に渋谷の「ORCHARD HALL」で観てきました。メンバーは上原ひろみとレニー・ホワイト。昨年はこのトリオで『ジャズ・イン・ザ・ガーデン』という素晴らしいアルバムを発表し、今回は「ORCHARD HALL」に出る前、南青山の「ブルーノート東京」でも超満員の聴衆を前に演奏していました。
ぼくも「ブルーノート東京」で観たかったんですが、出足が遅れ、気がついたときには100人以上のキャンセル待ちが出ていると言われ断念。クラブでの演奏はどんなだったんでしょう?
でもこのトリオ、大きなホールでも抜群の魅力を発揮していました。セロニアス・モンクの「アイ・ミーン・ユー」から始まったコンサート。相変わらず上原さんは奔放で、モンクの曲でも本家以上に大胆でパーカッシヴなタッチを聴かせてくれました。
いずれも名手でテクニシャン。となれば、ピアノ・トリオとはいえ、ありきたりの4ビートでスイングするスタンダードなんてありえません。それぞれが持ち味を存分に発揮して、スリリングな展開の連続でした。こういうピアノ・トリオもいいです。気持ちが触発されますから。
演奏は途中の休憩なし。テンションが高まったステージに水を差す必要はありません。後半は日本人4人によるブラス・セクションも加わり、まずはチック・コリアの「ノー・ミステリー」。これまた上原さんの大胆な演奏で盛り上がりました。
ここでフルートとサックスを吹いていたのは、「Jazz Conversation」にもゲスト出演してくれたバトル・ジャズ・ビッグ・バンドのリーダー、吉田治さん。ステージで、彼はスタンリーから「日本の友人」と紹介されていました。素晴らしい!
聞くところによれば、「ブルーノート東京」の初日に、このブラス・セクションは何の前触れもなく登場したそうです。スタッフも知らされていなければ、上原さんまで知らなかったといいます。そういうところがいかにもマイペースのスタンリーらしいです。
そのスタンリーには、「ブルーノート東京」の初日が明けた翌日、宿泊先のホテルでインタヴューをさせてもらいました。この模様は年内に「Jazz Conversation」で紹介したいと思っています。
ぼくはいいコンサートやライヴに恵まれています。この日は、いつもよりかなり暖かくて、風はありましたが、いい気分で会場を後にすることができました。