ピーター・セテラ。
ブラス・ロック・バンド、シカゴのヴォーカリストだったひとです。24日に超満員の「コットン・クラブ」で観てきました。前日のパット・メセニーといい、この日のピーター・セテラといい、普段なら大きなホールも満員にするアーティストを小さなクラブで観られることは格別な幸せです。
1969年にデビューしたときからのシカゴ・ファンです。でもブラス・ロック・バンドからAOR的なバンドに変わっていくにつれ、興味を失ってしまいまいました。なので、好きなアルバムは最初から7枚目くらいまででしょうか。
初期の迫力あるブラス・サウンドと、テリー・キャスのギター、ロバート・ラムのキーボード、ピーター・セテラのベース、そしてダニー・セラフィンのドラムスの組み合わせは最高でした。
シカゴが大きな人気を博すようになったのはAOR路線になってからですが、ぼくはそれ以前の「ロック・バンド」色が濃かった時代が好きです。2000年に「東京国際フォーラム」で観たシカゴは、ずいぶん洗練されていて、それは音楽だけでなく、ステージ上のセットまでソフィスティケートされていました。
ステージ奥に大きなアンプを並べた武道館での初来日コンサート(1971年)はいまでもよく覚えています。あのときは「サタデイ・イン・ザ・パーク」を日本語で歌い、その後、この日本語ヴァージョンはシングル盤として発売されました。
いい時代でした。次から次と人気の大物ロック・バンドが来日してはコンサートが開かれていたんですから。バンド活動でお金を貯めては一番安いチケットを買い、来日アーティストのコンサートはすべて通いつめていた時代です。ピーター・セテラのステージを観ながら、そんなことを思い出しました。
初来日から41年です。ピーター・セテラもそれなりに年をとりました。
「コットン・クラブ」でのステージでは、大ヒットした「素直になれなくて」などAOR時代の曲が中心。でもアンコールで「長い夜」を歌ってくれたのは嬉しかったです。その瞬間、あの時代に戻ってしまいました。こういうデジャヴ感覚は、長いこと音楽に親しんできたからこそでしょう。
2012.1.24.tue 2nd
1.Restless Heart
2.Apple Of Your Daddy's Eye
3.Glory Of Love
4.After All
5.Even A Fool Can See
6.Stay The Night
7.If You Leave Me Now
8.You're The Inspiration
9.Feels Like Heaven
10.Lady Madonna
11.Next Time I Fall
12.Hard Habit
13.Hard To Say I'm Sorry
[Encore]
14.Save Me
15.25 or 6 to 4
写真提供/COTTON CLUB 撮影/米田泰久