ぼく好みのいいライヴでした。
カサンドラ・ウィルソンはジャズがベースなんでしょうが、それだけにとどまらない幅広い音楽性を身につけたシンガーです。まったく独創的というかオリジナリティの塊。それでいて独りよがりにならない親しみやすさも感じさせてくれるヴォーカルが好みとぴったり。満員の聴衆からも大受けでした。
最後の2曲はエレクトリック・ギターを弾きながらのヴォーカルで、ラストの「ブラックバード」ではビートルズのヴァージョンに準じたアルペジオによるイントロを披露。ちょっとした腕前にびっくり。とはいってもたいしたもんじゃなかったですけど。
ハーモニカ、ヴァイオリン、ギター、ベース、パーカッションによる伴奏もよかった。ぼくが留学中に頭角を現したブランドン・ロス、ロニー・プラキシコ、ミノ・シネルがすっかりヴェテランになった姿に触れることもでき、歳月の重みを感じました。
彼らのプレイを聴いて、やはり留学時代に知り合ったマルグリュー・ミラーが先週の水曜日にこの世を去ったことが心をよぎりました。マルグリューとロニーは仲がよかったよなぁ、なんて思い出したりして。
【出演メンバー】
Cassandra Wilson(vo)
Gregoire Maret(harmonica)
Charles Burnham(vln)
Brandon Ross(g)
Lonnie Plaxico(b)
Mino Cinelu(ds, per)
2013年6月1日 「南青山 ブルーノート東京」 ファースト・セット