カナダ出身のシンガー、ニッキ・ヤノフスキーのライヴを観るのは5年ぶり。とはいっても、彼女は2月にはたちになったばかり。
2010年のヴァンクーヴァー・オリンピックでは開会式でカナダ国家を歌い、閉会式でもパフォーマンスを披露した彼女。16歳にして国民的なシンガーになっていたんですね。
そして昨年はクインシー・ジョーンズの来日公演でもフィーチャーされていました。そのクインシーのプロデュースで新作『リトル・シークレット』の発売を5月に控えています。
ニッキはジャズ・シンガーのカテゴリーに入るでしょうが、ポップなテイストもあって、両者が自然に溶け合った歌に個性を発揮するタイプ。「ウィッチ・クラフト」や「浮気はやめた」といったジャズのスタンダードを歌ってもそういうところがうまく表出されていますし、ギター一本をバックにソウルフルに歌い上げた「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」は、ロッド・スチュアートもびっくりといった感じでした。
しかも自作の曲もいろいろあって、これがいい感じにジャズっぽくて、実に魅力的。はたちの若々しさと、それとは反対に落ち着きのある風情と。それらが同居したステージングに好感が持てました。
どんなシンガーに育っていくのか、引き出しが多いだけに、とても楽しみです。
ライヴの前にはインタヴューもさせてもらいました。才気煥発で、話をしていても魅力的。彼女ならフィル・ラモーン、クインシー・ジョーンズといった大物プロデューサーがひと肌脱ごうという気持ちになるのもよ~くわかります。
【出演メンバー】
Nikki Yanofsky(vo)
Cale Hawkins(key)
Stephen Maxwell(g)
Marc Rogers(b)
Mark McLean(ds)
2014年3月14日 「南青山 ブルーノート東京」 ファースト・セット