今日は午後からクイーンズにある「Louis Armstrong House」に行ってきました。グランド・セントラルから7番の地下鉄に乗って、103rd Street-Corona Plazaという駅で降りるのですが、この地域はあまり治安のいい場所ではありません。そもそもフラッシング行きの7番ライン自体、夜なんかにひとりで乗るのは遠慮したい路線です。
フラッシング周辺はhate crimeでひところ名を馳せたところですし、ついこの間、ヴァージニアの大学であった事件を思うにつけ、アジア人のひとりであるぼくとしては好んで行きたい地域ではありません。
留学していたときは、「大道」という日本食料品店がフラッシングにあったので、年に何回かこの路線に乗って行ったことがあります。当時はいまと違って、マンハッタンには「片桐」という日本食料品店しかなく、ここは値段も高かったことから、たまに「大道」を利用していました。
そのフラッシングの数駅手前に目的の103rd Street駅があります。このあたりはヒスパニックのコミュニティのようで、通りにあるほとんどの店の名前がスパニッシュです。店内から流れている音楽も、車から聴こえてくる音楽もサルサやその他のラテン・ミュージックで、陽気なことこの上ありません。
その商店街を抜けて、何度か角を曲がると、目的の「Louis Armstrong House」のある107 Streetと37 Avenueに出ます。
107 Streetの一角は「Louis Armstrong Place」と名づけられています。
そして、角からすぐのところに「Louis Armstrong House」はありました。
アームストロングは1943年からこの世を去る1971年までここに住んでいました。高いのか安いのかわかりませんが、当時の価格で3500ドルだったそうです。レンガ作りの3階建てで、そこそこ広い庭園もあります。
家の中を見せてもらうには、ガイドつきで入場料8ドルを払います。所要時間は約40分で、ひとつひとつの部屋を丁寧に紹介してくれました。それぞれの部屋は思ったほど広くありません。
アメリカの国民的ヒーローの家にしては、全体に少し質素な気がしました。いまでは、この地域は物騒なところで知られていますが、アームストロングが引っ越してきたころはどうだったんでしょう?
興味深かったのはキッチンです。1960年代の最新設備が整っていて、すでに電子レンジまで使っていたようです。ガス・コンロは6台もあって、4台が一般的であることを考えると、奥さんのルシールは料理好きだったのかもしれません。あとはオーヴンも2台、ディスク・ウォッシャーも完備していて、ガイドの若い青年によれば、当時としてはもっともモダンなシステムだったそうです。
ルシールは壁紙に凝っていて、ウォーキング・クローゼットはすべて銀紙が使われ、引き出しの中にも銀紙が貼りつけられていました。キッチンは壁紙ではありませんが、ブルーで統一されていて、デザインとこの色調がとってもポップな感じを生み出しています。
アームストロングはツアーに明け暮れていたので、家には年に50日くらしかいませんでした。それでルシールが好きなように内装をいじっていたのだそうです。部屋によって、いろいろな色の壁紙が使われていたのが面白かったですね。
ガイドによれば、庭は日本庭園とのことでしたが、とくに日本庭園という感じはしません。バーのコーナーなんかもしつらえてあるので、きっとガーデン・パーティなんかもやっていたんでしょう。
ここから先は、本日のもろもろです。
井川が一面に載っていた今日の「Daily News」です。
ニューヨークにいるときの朝食は、アパートで野菜スープと野菜サラダとベーグルが一般的です。1日に350グラムの野菜を食べなければいけないため、ここである程度の量を稼いでおかないとあとが大変になります。夜になって、これじゃ足りないと思ったときは野菜ジュースを飲みます。
それでこれが今日の昼食。
アパートの近くにある、行きつけのコーヒー・ハウスで食べたターキー・バーガーです。野菜がトマトとレタスだけだったので、スライス・オニオンを加えました。たいした重さではありませんが、これで少しは稼げたかなと。スライス・オニオンの上に乗っていたオニオン・リングは食べません、食べたかったですが。
肉はなるべく資質の少ないターキーを食べるようになりました。本当はターキー・ブレストがロー・ファットでいいのですが、これはどこの部位なんでしょう?
クイーンズからマンハッタンに戻り、3番街をグリニッチ・ヴィレッジに向かって歩いていたらストリート・フェアに出くわしました。昔は、こういうフェアにもレコードを売るひとがいて、そういうときは結構珍しいものを手に入れることもできました。しかし、もう何年もストリート・フェアでレコード屋さんは見かけません。
夜はレキシントン・アヴェニューのインド・レストラン街にある「Pongal」へ。ここはヴェジテリアンのカレー屋さんなので、お肉は一切ありません。これは、前回来たときにみつけた「sada」というクレープ状のものです。made of rice and lentik flourだそうです。
「baingan bhartha」。メッシュした焼き茄子を、ソテーしたオニオンとトマトであわせたスパイシーなカレーです。オイルは極力使ってないようです。
「pulka」といって、オイル・フリーのピタ風ブレッドです。このお店にナンはありません。同じものでオイルも使って焼いた「chappathi」がここでは一般的なパンのようです。
バスマティ・ライスもかなりいけます。
帰りにサード・アヴェニューで見つけた新しいデザインのバス停です。
あとはアパートに戻り、野菜ジュースを飲みながらDVDを観ることにします。