ホーム・シアター化したので、このところ以前にも増してDVDを買って、寝る前とかに観ています。といっても、数トン分は書かなきゃいけない感じで原稿があるため、映画鑑賞も少し滞りがちです。
映画のほかには音楽のDVDもいろいろ買っています。今日はその中から気に入ったものをいくつか紹介しておきます。そうでもしないと、間違ってもう一度買ってしまいそうなので。
でも、書けば忘れないというのも、最近ではだめになりました。書いても忘れてしまうことがマッハの勢いで増えています。まだ書いてないと思ってあわてて原稿を書いたら、とっくの昔に書き終わっていた、なんてこともあるんですから。
話が逸れました。まずは数日前に届いたDVDからいきましょう。
①『ベスト・オブ・ジョニー・キャッシュTVショー』
これは驚きの作品です。1969年から2年間ABCで放送された番組からさまざまなパフォーマンスが盛りだくさんです。ボブ・ディランをはじめ、デレク&ドミノス(!)、CCR(まだちゃんと4人です)、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、テレビ初出演のジェームス・テイラー・・・。とにかくきりがありません。大好きなカントリー系の大御所もたくさん登場しますし、ルイ・アームストロングまで出てきます。
クリス・クリストファーソンが案内役で、そこにキャッシュの息子さんやスタッフなどの思い出話が挿入されます。リンダ・ロンシュタットのエピソードなんて、信じられません。でも、そういうひとっているのかもね、なんて思ったりもします。このビデオ、最近のベストです。
②『サディスティック・ミカ・バンド』(初回限定版スペシャル・エディション)
これは、映画として公開されるとアナウンスされていたものが、結局DVDとして発表されたってことでしょうか? そのあたりのことはわかりませんが、1年前に一度だけ行なわれたライヴを中心に、メンバーや関係者のインタヴューを交えたドキュメンタリーです。本編が70分は少し短いですね。もっとライヴの場面が観たかった。これが正直な感想です。
映画では、桐島カレンが入った「天晴」のことにほとんど触れられていません。無視同然の扱いが少し気になりました。理由があるんでしょうか? ぼくはあのライヴをNKホールで観て大感激したんですが。
最初のミカ・バンドも何度か見てます。DVDの中で、佐野史郎さんが話していた75年の厚生年金ホールのライヴ。あれは最高でした。『黒船』の全曲を、収録順に、完璧な演奏と歌で再現したときのものです。ミカさんが天井からブランコに乗って、「タイムマシンにお願い」を歌いながらステージに降りてくる場面が印象に残っています。
そうそう、こういうドキュメンタリーにつきものの、昔のライヴ映像が一切ないのも残念でした。まったく残ってないのかしら。
メンバーを含めて、「ミカ・バンドはマイナーな存在で、評価されていなかった、理解されていなかった」みたいなことを繰り返しいいますが、それを聞いて意外に思いました。ぼくの中では、世界に出しても恥ずかしくないバンドでしたから。第一、それだったら厚生年金ホールが満員になるはずありません。
ちょっと前に出たボブ・ディランのDVDも素晴らしいです。
③『Other Side Of The Mirror: Live At The Newport Folk Festival』
1963年から65年にかけて、「ニューポート・フォーク・フェスティヴァル」に出演したときの映像を集大成したものです。ソロ・パフォーマンスが中心ですが、ジョーン・バエズとの共演や、出演者が集まってのフーテナニーなど、ぼくの世代には観所満載、懐かしさいっぱいのDVDです。高校のころは、毎週末、どこかのホールでアマチュアのフォーク・コンサートがありました。そういうときの情景を思い出します。
ディランがエレキ・ギターを弾いて、ブーイングを受けた場面も出てきます。このフル・ヴァージョンは初登場じゃなかったかしら。こうやってアコースティック時代からエレクトリック時代にかけての変遷がまとめられているのも、ディラン・ファンにとってはありがたいことです。
④『LIVE TRANSMISSIONS』(3DVD)
これは海賊版みたいですが、AmazonやHMVなどでも扱っているものです。「86年のキング牧師トリビュートや、ファーム・エイド2、ウィリー・ネルソンの60歳の誕生を祝った93年のライブからのステージなど、これまでの公式映像作品や同レーベルのライヴ・コレクションにも収録されていなかった映像を数多く追加。目玉はなんといっても、DVD3枚目に収録している当日のセットリストを網羅した94年のウッドストック」ということで、即買いです。79年から95年までの38曲は、画質の悪さを差し引いても壮観です。
スタックス/ヴォルトの音源がユニバーサルに移って、DVDでも興味深いものが出るようになりました。
⑤『Stax-Volt Revue: Live in Norway 1967』
スタックスのパッケージ・ショウがモノクロの映像で楽しめます。こういうのが観たかったんですね。Booker T and the MGs(2曲)、The Mar-Keys(3曲)、Arthur Conley(2曲)、Sam and Dave(4曲)、Otis Redding(5曲)の75分。やっぱりサム&デイヴとオーティスが圧巻です。針金痩男のスティーヴ・クロッパーのクールなたたずまいに、憧れていた青春時代が蘇りました。
⑥『Otis Redding / Dreams To Remember』
オーティスのドキュメンタリーも必見です。この手の作品には珍しく、大半が完奏されています。奥さんや娘さん、スティーヴ・クロッパー、それからスタックスの創業者で多くのアーティストをデビューさせたジム・スチュワートなどのインタヴューが挿入されています。
スチュワートさんのお姿にはびっくりです。やせ細って、次の瞬間にはご臨終、みたいな雰囲気を漂わせているのですが、記憶はクリアで細かいところまで話してくれました。こういうひとのほうが長生きするのかもしれません。
そういえば、オーティスの息子さんはどうしているんでしょう? ぼくが留学していたころに、セロニアス・モンクの息子さんとソウル・バンドを組んで、ヒット曲も出していた記憶があるんですけど。
⑦『Respect Yourself: The Stax Records Story』
こういうものも買いました。ですが、時間がなくてまだ観ていません。それにしても、このジャケット、かっこいいと思いませんか?