最初に、ひとつお知らせを。
以前このブログで紹介した日経WagaMagaのインタヴュー記事が月曜からアップされています。金曜までの5日間、計5回の連載です。その後はバック・ナンバーとして残りますので、興味のあるかたはここ
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/music.aspx?i=MMWAe3000016102008をご覧ください。
さて、昨日はMOJO RECORDSのジャズ部門が1周年を迎えた記念に開催されたライヴに行ってきました。このレーベルからはジュニア・マンス、アーニー・ワッツ&プラス・ジョンソン、アンドレア・パガニーニといった外国のアーティストによる作品も出ていますが、今回登場したのは、ニューヨークで活躍中のオルガン奏者、敦賀明子さんのトリオ、ボサノヴァ・シンガーのKarenさん、それにトロンボーンのTommyざんのクインテットというラインアップ。
まずは、敦賀さんのトリオがご機嫌なオルガン・ジャズを聴かせてくれました。彼女はハーレムにある有名な「Showmans」に出ているほどなので、オーディエンスを乗せるツボがわかっているというか、とにかくオルガン・ジャズの王道を行く演奏で存分に楽しませてくれました。日本人、しかも女性がハーレムのジャズ・クラブで黒人のお客さんを沸かせていると思うと、こちらまで嬉しくなってきます。
ライヴを聴いたのはこれが初めてですが、MOJOから出た最初のアルバム『セントルイス・ブルース』の素晴らしいオルガン・プレイに胸を躍らせました。オルガン・プレイヤーの中には大げさにブルース・フィーリングを強調するひともいます。でも、彼女のプレイはほどほどです。このほどほど加減が、ぼくには絶妙なセンスのよさに思われます。もちろんブルージーな雰囲気を横溢させたプレイも聴かせてくれますが、肝心なのはバランスです。敦賀さんのプレイは、ぼくの好みに合っているってことでしょう。今度は、ニューヨークでもチャンスがあればライヴを聴きに行きたいですね。
次に登場したのはKarenさん。5月に出たデビュー作『Aruanda』がお気に入りで、夏の間よく聴いていました。ステージは1曲目とラストが彼女の弾き語りで、それ以外はアルバムをプロデュースした吉田和雄さんのドラムスがつくというセッティング。終盤で歌われた「ワン・ノート・サンバ」には、次に登場するTommyさんも加わり、ジャズっぽい雰囲気も楽しめました。
Karenさんはアルバムのジャケットで見たとおりの清楚な感じです。歌声も綺麗で、アルバムで聴いていたより繊細な表現がなんともいえずよかったです。ギターのコード・ワークもなかなかのもので、Tommyさんが吹いたソロのバックなんか実に見事でした。
Tommyさんのステージも観たかったんですが、体調のことを考え、ここで後ろ髪を引かれつつ「JZ Brat」をあとにしました。出口でKarenさんからお声をかけていただけたのは光栄の至りです。友人から教えられて、彼女のアルバムを紹介したぼくのブログを読んでくれたそうです。これもブログの効用でしょうか。こういうのはとても嬉しいですね。