
昨日、渋谷の映画館で観てきました。これ、NHKで放送された連続ドラマの続編という形でしょうか。NHKのドラマも、毎回ではありませんが大半を観ていたので、その後の鷲津(主人公)の虚無的になっていた心情とかがわかり、興味深く観ました。
でも、TOBとかホワイト・ナイトとか、会社の買収がゲームのようになるあり方ってぼくには入っていけない世界です。それが経済活動であるのはわかっていますが、会社を売り買いする考えはぼくの人生感にありません。
日本の基幹産業のひとつ、大手の自動車メーカーに買収を仕掛ける中国系ファンドと天才ファンドマネージャーの鷲津政彦が繰り広げるマネー戦争がテーマです。従業員とか、車に対して夢を持っている幹部とかの思いはまったく無視され、金額だけで動いていく社会って、夢がなくていやですね。ただし、映画では主人公たちにそれぞれに夢があったということで気持ち的に決着しますが。
でも夢を追うだけでは生きていけませんし。そこが、規模の大きくなった会社の辛いところでしょう。たとえば、昔のソニーやホンダは夢を実現することで企業を大きくしました。しかしその後は会社の業績を維持するため、夢を見てはいられない状況に追いやられます。その結果、すぐに壊れる商品やほしいとは思えない車がたくさん登場しました。
それも仕方がないことだと思います。そんなことを考えると、いまだに夢を追いかけていられる自分は幸せだなぁと思います。しがらみはいろいろありますが、企業に入らず一匹狼でやってきたお陰で、自由気ままに生きていられます。
映画の最後近くに、「お金のない不幸もあれば、お金のある不幸もある」というセリフが登場します。ぼくは、そんなにたいしたものは買えませんが、ほしい服やCDや、せいぜい贅沢をしても車くらいまでは、なんとか買うことができます。もちろんとんでもなく高価なものは買えません。そういうものが買える大金持ちにはなれなかったけれど、十分満足しています。
稼ぎたいと思えば、美容整形をやればそうなれるかもしれません。でもぼくは絶対にそういう道には進みませんね。自分がやりたい仕事じゃないですから。企業に入っていれば、そうもいきません。先日DVDで観た『酒とバラの日々』の主人公みたいになったら、なんのために生きているのか、その目的意識まで奪われかねません。
だから自分で自分の責任は持つ仕事を選びました。ぼくはお世辞とか心にないことをいうことができない性格です。ですから、会社に入って誰かの下で仕事をするのは最初から無理と思っていました。そういうこともあって、サラリーマンにはならなかったんですが、それで正解だったようです。
この映画を観て、改めて思いました。自由な人生はなんて素晴らしいんだろうと。それから、ぼくはたとえお金があったとしても、投資でさらに増やしたいとは思わないってことです。これ以下の生活だとちょっといやですけど、これ以上の生活も望んでいません。そりゃあ、お金があればいいとは思います。ですがどうせろくなことに使わないでしょうし、いまの生活ぐらいでもぼくにはちょっと出来すぎなので、無理をしないで現状が維持できれば、それで不満はひとつもありません。
そうそう、この映画館が入っているビルの3階に野菜中心のレストランがありました。店員の段取りがあまりいいとは思えなかったんですが、渋谷にはしょっちゅう行くのでときどき使ってもいいかなと思っています。
へんな話になってすいません。今日はこれから銀座の「ケントス」でシュープリームスを観てきます。オリジナル・メンバーはいるんでしょうか?