
好きな俳優のひとり、デンゼル・ワスントンがニューヨーク、それも地下鉄で起こった事件をテーマにした映画に出演したとなれば、観ないわけにいきません。というわけで週末に観てきました。
ひょっとしたらと思っていたら、案の定、わがアパートが写っていました。それも冒頭のマンハッタンを俯瞰するシーンで。あと、最後の方で一瞬登場した気もしましたが、本当にあっという間だったので確認はできなかったです。
それにしてもうちのアパート、よく登場します。これで何本目かしら? 自分が観た映画だけでも20本近いのでは? リストを作っておくべきだったと後悔しています。

この映画、原題は「The Taking Of PELHAM 123」というもの。「PELHAM」というのはこの地下鉄の出発駅の名前です。ぼくたちはこの路線を「Six Train」と呼んでいます。ニューヨークの地下鉄は数字(1~)と、アルファベット(A~)で路線を呼びます。
ちなみに、「A Train」はデューク・エリントンの「A列車で行こう(Take The A Train)」の「A列車」のことです。「A Train」はハーレムを通る路線なので、「A列車に乗ってハーレムに行こう」というのが曲の内容です。
昔のハーレムは、「コットン・クラブ」で代表されるように裕福な白人が集まる高級な社交場があちこちにあったそうです(ぼくは生まれてなかったので知りません)。それで、地下鉄も当時は先端の乗り物(でもなかったと思いますが)ということで、スノッブなひとたちはA列車でハーレム詣をしたんでしょうね(本当かな? ぼくだったらやっぱり黒塗りのリムジンで乗りつけますけどね)。
映画はとにかく面白かったです。ただし、割と前の席で観たため、画面の迫力や早い動きにちょっと疲れました。もう少しうしろの席だったらもっと楽しめたでしょうね。それから、とても簡単に人を殺してしまうシーンが何度か出てくるので、これはちょっと心臓によくなかったです。
最近のぼくは妙なところで感動します。この映画で一番よかったシーンは、地下鉄の司令部で働くデンゼル・ワシントンが身代金を犯人に手渡さなければならなくなったときに、奥さんと携帯電話で話すやりとりです。
ひょっとしたら殺されてしまうかもしれないのに、帰りに牛乳を買ってきてほしいと頼まれ、サイズで口論する下りです。そこに、「必ず生きて帰ってきてね」、「生きて帰ってくるから」という心情が描かれていたように思います。そして、最後のシーンでにやりとさせられました。奥さんのいいつけ通り、1ガロンの牛乳パックを持っていたからです。

ニューヨークにいるときは「Six Train」にもよく乗ります。イーストサイドを南北に走っていて、ぼくもイーストサイドに住んでいますから、ソーホーやチャイナタウンといったダウンタウンに行くときはこの地下鉄が便利です。

でも停留所が近いこともあって、たいていはバスに乗ってしまいますが。それより、チャイナタウンくらいまでなら歩く方が多いかな?
考えてみれば、以前に比べて乗り物に乗る回数が激減しました。それは東京でも同じです。ただし、この3ヶ月くらいはボルボにも乗るようにしなくては。それでぼくの愛車がひがむといけないので、昨日は近くまで久々に左ハンドルのマニュアル車で出かけてみました。
いつものことですが、映画の話とはまったく関係のないことを書いてしまいました。