
3月1日に「ブルーノート東京」で久々に彼女の歌を聴いてきました。聴くたび、そしてアルバムを出すたび、歌がうまくなっているガンバリーニ。今回も堪能させてもらいました。

「ソー・イン・ラヴ」をアカペラで歌い始めてからの1時間半。予定よりかなり曲数を増やしてのステージだったため、アンコールをする時間がなくなってしまったとか。気合が入っていたのでしょう。
「ディープ・パープル」や「プア・バタフライ」といったバラードはしんみりと聴かせてくれましたし、ディジー・ガレスピーに捧げるといって歌った「サニー・サイド・アップ」は、彼がソニー・スティットやソニー・ロリンズと共演したヴァーヴ盤のヴァージョンをヴォーカリーズで歌ってくれました。
ここ何十年も女性ジャズ・シンガーは豊作です。中でもガンバリーニは飛び切りのうまさで同世代のシンガーの中でも群を抜いているんじゃないでしょうか。ぼくが彼女を気に入っている最大の理由はヴォーカルにクセがないこと。ストレートに歌ってジャズを感じさせるシンガーが好きなので、ガンバリーニはその好手本だと思います。

「ノー・モア・ブルース」の豊かな表現も魅力的ですし、この夜ぼくが一番心に残った歌はイタリア語の「エスターテ」。さすがイタリア系シンガーだけあって、言葉はわかりませんが雰囲気抜群でした。
今月は、このあとブランフォード・マルサリスとマンハッタン・トランスファーを「ブルーノート東京」で聴く予定です。そろそろ季節もあたたかくなってくるでしょうし、心地のよい音楽を聴きながら、いまのところほぼ健康なぼくは人生の楽しさをしみじみと味わっています。