昨日は駒場東大前の「Orchard Bar」で「ONGAKUゼミナール」。ビートルズ特集の3回目で、ようやく『レット・イット・ビー』まで紹介できました。2回で終わらせるつもりだったんですけど、話し始めたらあれもこれもと話題が膨らみ、といっても雑談と思い出話と自慢話ですからたいしたことないですが、結局3回におよんでしまいました。
今回は満員でした。サッカーのW杯が開催されている中、お越しいただいた皆さんには大感謝です。本当にありがとうございました。ぼくのようにビートルズ世代の方もいれば、ビートルズが解散したあとに生まれた方にもご来場いただきました。つくづく思うのは、ビートルズの音楽は不滅、ということです。
8年ほどで解散したことになりますが、ビートルズの音楽は行くところまで行き、メンバーの気持ちも燃え尽きてしまったようです。最後の数年で残された音楽を聴きながら、これ以上のことはできないと、昨日は改めて実感しました。
彼らのようにクリエイティヴなひとたちは、ひとつのところにとどまっていられないんでしょう。4人でやれることはすべてやった。実質的に最後に録音されたアルバム『アビー・ロード』にはそうした気持ちが満ち溢れていました。ぼくはこのアルバムを聴くたび、なにかすがすがしいものを感じます。4人の気持ちはバラバラだったんでしょうが、「これで卒業」という思いが彼らの心の中のどこかにあったんじゃないかしら。
ビートルズについては、思いがいろいろあります。自己満足ですが(聞かされたほうはいい迷惑でしょうが)、今回はそういう話もできて楽しかったです。
予定していたのはこんな曲です。
【60年代音楽「ビートルズ パート3」】
★シングル盤【レディ・マドンナ】(1968年)
★シングル盤【ヘイ・ジュード】(1968年)
★アルバム『ザ・ビートルズ』(1968年)より
【バック・イン・ザ・U.S.S.R.】
【ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス】
【アイ・ウィル】
【マザー・ネイチャーズ・サン】
【ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン】
★アルバム『イエロー・サブマリン』(1969年)より
【イエロー・サブマリン】
【オンリー・ア・ノーザン・ソング】
★シングル盤【ゲット・バック】(1969年)
★『アビイ・ロード』(1969年)より
【カム・トゥゲザー】
【サムシング】
【メドレー1:ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー~サン・キング ~ミーン・ミスター・マスタード~ポリシーン・パン ~シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー 】
【メドレー2:ゴールデン・スランバーズ~キャリー・ザット・ウェイト~ジ・エンド】
★『レット・イット・ビー』(1970年)より
【レット・イット・ビー】
【ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード】
【アクロス・ザ・ユニバース】
【アイ・ミー・マイン】
今回割愛したのは「マザー・ネイチャーズ・サン」だけ。それで改めて思うのは、ビートルズの音楽的な成長の驚くべき早さ、そしてそれと連動していると思うのですが、人間としての成長の早さです。ロックに限らず、あらゆるタイプの音楽の中でも、10年足らずでこれだけの変化と発展を遂げたものはないと思います。
それは時代背景もあったでしょうし、ロックがまだ揺籃期にあったことともおおいに関係しているでしょう。でも、ビートルズの4人でなくてはこんな偉業は達成できません。その変遷をリアルタイムで体験できたことは、ぼくにとって大きな財産です。本当にいい時代に生まれました。そんなことを思いつつ、昨日は素敵な時間が過ごせました。改めて、その時間を共有してくださったみなさんに感謝です。ありがとうございました。
それで次回ですが、ぼくの大好きな音楽から「R&B~アトランティックとスタックスの時代」を考えています。ずいぶん前にもやったんですが、もう一度「60年代音楽」のシリーズに組み込んできちんとやり直したいと思います。