おととい発売された7月号で『スイング・ジャーナル』誌が休刊となりました。1966年からの読者ですから、44年ほど親しんできたことになります。その雑誌がなくなるのはたいへん寂しいですね。
1983年からは筆者となって、現在まで1号も欠かさず原稿を書かせてもらいました。データベースをチェックしてみたら、ここまでで2092本の原稿を書いたことになっています。ずいぶん稼がせてもらいました。
ただし30年近く筆者として関わってきましたが、ぼくの思いはいつでも一読者でした。読んでいて面白い時期もありましたし、いまいちのときもありました。しかし、この雑誌に触発されて音楽にのめり込み、人生の大半を過ごしてきたことは間違いありません。
その雑誌が消えてしまうことは大きな喪失感につながりそうですが、不思議なことにまったく平然としています。どうしてなんでしょう? 自分で自分の気持ちがわかりません。
ひとつの時代が終わったことは強く感じています。でも、ひょっとしたら『スイングジャーナル』の役割はもうしばらく前に終わっていたのかもしれません。寂しいけれど、残念ですけれど、読者としてのぼくにとって、この雑誌にそれほど強い思いがなくなっていたのかもしれません。
いつもはうしろ向きですが、このこと(休刊)に関してはあまりネガティヴ・シンキングではありません。これを機に、何か新しい局面が生まれるかもしれないじゃないですか。低調なジャズ・ビジネスに、この休刊はいままでになかった次なる一石を投じることになるかもしれません。
新雑誌が登場するとは思いませんが、思いもしなかったことが自然発生的に起こってきたら楽しいでしょ? ひとつの終わりは、次なるものの始まりになるかもしれません。ジャズがこの世から消えるわけじゃないんですから。
『スイングジャーナル』誌の休刊にひとつの時代の終わりを感じますし、自分にも今年はいろいろな変化が訪れているので、ぼく個人も大きな節目を迎えている気がします。それでも、夜が来て、朝が来て、また夜が来て、といつもの日常が淡々と過ぎていきます。そこに心の平穏を感じているのですが、これって歳のせいかな?