Afronaughticaはニューヨーク在住のシンガー古賀マリさんとピアニスト中井知恵美さんが今年結成したユニット。知り合いが古賀さんの友人という縁で、先週の土曜日(20日)、久々に御茶ノ水の「NARU」に行って、このユニットを聴いてきました。「NARU」では、日本で活躍しているベースの増原巌さんとドラムスの倉田大輔さんを加えた4人編成になっていました。
ニューヨークで日本人がシンガーとして活躍するのはかなり難しい、ぼくはそう思っています。古賀さんもきっと頑張っているんでしょう。もちろん、シンガーに限らず、ミュージシャンも大変なことはよくわかっています。女性ふたりがあの街で奮闘努力している姿が目に浮かびます。
でも、MCも務めた古賀さんのどっしりと構えたステージングを見ていると、そんなことも平気、むしろニューヨークにいることが楽しくて仕方ない、といった思いが伝わってきました。彼女たちのパフォーマンスからもそんな雰囲気が。
ステージでは、出たばかりのCD(上の写真)からいろいろ聴かせてくれました。グループ名からもわかるようにラテンのテイストも含まれています。でもぼくが観たステージではそれほどラテン色は強くなかったように思います。ほかのステージで大爆発したのかもしれません。
いいなぁと思うのは、いろいろな点でニューヨークに住んでいるからこそ作れる音楽、育んできたサウンド、そんなものが聴こえてきたことです。彼女たちが日本にいたなら、まったく違ったジャズをクリエイトしているんじゃないでしょうか?
音楽はそのひとの生き様が表現されてナンボと思っています。ニューヨーク生活の厳しさや楽しさがそこから伝わってくるAfronaughticaの歌と演奏は、ぼくにニューヨーク時代の苦楽を思い起こさせてくれました。
彼女たちもいつかきっと2010年のいまのことを振り返るときが来るでしょう。そのときに、「いい日々だった」と感じられるような生き方や活動ができていることを祈っています。きっとそうであると思いますが。