
ひょんなことから「Jazz Conversation」で電話インタヴューをすることになったイタリア人ピアニスト、ジョヴァンニ・アレヴィ。そのときの模様は11月14日の放送で紹介しました。その彼が先週の木曜日(25日)に築地の「浜離宮朝日ホール」で行なったソロ・ピアノ・コンサートを観てきました。

クラシックを学び、そこに現代的な感覚を盛り込んだオリジナル曲を演奏するのがアレヴィです。即興演奏をしないので、いわゆるジャズ・ピアニストとは違います。それでも繊細なタッチはキース・ジャレット的ですし、内省的な表現はビル・エヴァンスを連想させます。
ジャズではないけれど、こういう美しいピアノ・ミュージックは好みです。出てくる音はまったく異なりますが、ジョージ・ウインストン風でもあるかしら。極めて繊細なひとなんでしょうね。1曲終わるごとに立ち上がり、胸に手を当て、それから両手を合わせて感謝の気持ちを表します。激しいタッチの曲もありますが、ぼくはバラードのように静かな曲が気に入りました。
当日は高校のときに可愛がって下さった英語の先生のお通夜でもありました。しかし遠方で、時間的なことと体力的なことを考えると、参列は不可能です。断腸の思いでした。
ぼくはアレヴィのピアノを聴きながら、先生とのさまざまな思い出を振り返り、ひとり静かに追悼していました。穏やかなピアノはその思いにぴったりです。それもあって、このコンサートは記憶に残るひとつとなるでしょう。

演奏は正味1時間、それにアンコールが3曲。このくらい短いコンサートは珍しいでしょうが、ぼくにはちょうどいい長さでした。長ければいいというものではありません。何事も程よい長さが大切。ひとつひとつの曲も短いので20曲近く演奏したのではないでしょうか。
悲しい気持ちでホールに着いたのですが、帰りは気持ちよく家路につけました。それもこれもアレヴィのピアノが穏やかで、気持ちを和らげてくれたからだと思います。いいコンサートに接することができました。
【ご報告】
昨日の番組でも発表しましたが、12月10日に開催する「ONGAKUゼミナール」の当選者3名をここでも発表しておきます。手元にメールがないのでラジオネームがわかりません。でもこう書いておけば本人にはわかりますよね。
世田谷のルミさん
杉並のクスさん
小平のクミさん
クミさん以外のおふたりには昨日のうちに連絡がいっているはずです。クミさんにも今日あたり連絡が入ると思います。もしお心当たりの方で連絡が来ていない場合は、番組にメールするかこのブログにコメントをお寄せください。
それ以外の方は残念でした。またこういう募集はすると思いますので、そのときはどうぞよろしく。
それから、まだ席には十分余裕があると思いますので、お時間と興味と懐に余裕のある方はお店に予約をしてください。って、また宣伝しちゃいました。