
このふたりがリーダーになったトリオを先週の金曜日(6月7日)に「ブルーノート東京」で聴いてきました。
今回のトリオも素晴らしかったです。ヴェテランのふたりと組むのは新鋭ドラマーのマーカス・ギルモア。彼はロイ・ヘインズのお孫さん。伝統的なドラミングをしっかりと身につけた上での斬新なビート。彼が大先輩のふたりをしばしば触発している姿がうかがえて、ジャズの伝統はこうやって受け継がれているんだなと実感した次第。

レパートリーの大半はリターン・トゥ・フォーエヴァーからのもの。1曲目は最初のアルバムから「サムタイム・アゴー~ラ・フィエスタ」。次はスタンリー・クラークがやりたいといってビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」を。チックがこの曲を弾いたのは初めて観ました。そのあとがRTFの2作目からタイトル・トラックの「ライト・アズ・ア・フェザー」(スタンリー・クラーク作)、そして最後がこれまたRTFの作品『ロマンティック・ウォーリア』からタイトル曲。
アンコールにはゲイル・モランが登場。彼女のヴォーカルはいまいち好きになれないんですが、この日聴かせてくれた「ザムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」はすごくよかった。こういう解釈で歌うことができる彼女は実に魅力的でした。

チックは9月の「東京Jazz」にもニュー・グループのVigilを率いて来日します。そのVigilでこれから欧米ツアーに出るとか。
それで、今回もライヴが始まる前にインタヴューをさせてもらいました。

ここ数年、チックは何度目かの菜食主義にはまっています。

ご覧のように細身になったチック。健康的な痩せ方をしていて、服装のセンスも変わったみたい。GジャンにTシャツ姿が若々しいです。

時間がないため、食事をしながらのインタヴューでしたが、それもあってか話の合間には食事についての講釈が入ります。ドレッシングにはオイルもお塩も一切加えていないとか、お肉はまったく食べていないとか、ちょっと自慢げに語っていました。その気持ち、ぼくにもよ~くわかります。

いつも親切なチックさん。インタヴューが終わったところにスタンリー・クラークも登場。せっかくなので写真、撮らせてもらっちゃいました。ファンですから。右奥にはクマちゃんが写ってるなぁ。
【出演メンバー】
Chick Corea(p)
Stanley Clarke(b)
Marcus Gilmore(ds)
2013年6月7日 「南青山 ブルーノート東京」 ファースト・セット