
11月に発売した『マンハッタン・ジャズ・カタログ』に連動させる形で、昨日は新宿の朝日カルチャー・センターで講座を開きました。内容は、代表的なライヴ・レコーディングを聴きながら、マンハッタンにある(あった)新旧のジャズ・クラブや穴場レコード店の紹介、それとライヴ情報の入手方法などについてです。持ち時間が1時間半なので、ダイジェスト的なお話しかできませんでしたが、少しはいらっしゃった皆さんのお役に立てたでしょうか?
ひと前で話すのは苦手ですが、昨日はジャズ・クラブの写真などをスクリーンに写しながら喋っていたので、それほど苦にはなりませんでした。場内もほとんどの時間が薄暗かったし、スクリーンに顔を向けている時間が多かったので、何とかなったという感じです。
改めて思うのは、マンハッタンには本当にジャズが息づいているってことでした。世田谷区くらいの広さの中に、一体いくつくらいのジャズ・クラブがあるのでしょう?
ぼくが『マンハッタン・ジャズ・カタログ』の中で紹介したジャズ・スポットは173ヵ所です。その中にはたまにしかライヴをやらないレストランや、ジャズに限らず他のジャンルの音楽もブッキングしている店もありますので、実質的な意味ではもう少し数は少なくなります。それでも、相当な軒数であることは間違いありません。
ニューオリンズで20世紀初頭に誕生したジャズですが、マンハッタンでは1910年代から演奏されるようになり、20年代以降は、現在に至るまでジャズの中心地として栄えてきました。その間に、どれだけのジャズ・クラブが誕生しては消えていったのでしょう? そうした歴史の中で、優れたミュージシャンが腕を競い、歴史に残る演奏が繰り広げられてきたんですね。

「ジャズは生きている」
これはぼくが常々感じてきたことですが、そのことを実感させてくれるのがマンハッタンのジャズ・シーンを辿ることでした。『マンハッタン・ジャズ・カタログ』を執筆しながら、そして昨日の講座で話をしながら思っていたのがこのことです。
ニューヨークに行ったことがあるひとでもないひとでも、ジャズ・ファンなら、そしてジャズに興味があるひとなら、マンハッタンでジャズ三昧をしてみたい。そんな夢の実現に、少しでもお手伝いができればと思って書いたのがこの本であり、昨日の講座でした。
ところで、朝日カルチャー・センターでの講座ですが、現在のところ、次はアーティスト単位でやってほしいとのオファーを受けています。というわけで、次回はマイルス・デイヴィスを何回かにわたってやりたいと考えています。ただし、4月に教室のフロアが変わることもあり、どうやら7月から始まる期でやることになりそうです。
そういうわけで半年ほど朝日カルチャー・センターはお休みします。内心ほっとしている反面、頑張って続けてきたので、中断というのはちょっと気がそがれますね。でも、ほっとしている気持ちのほうが大きいかな?
2月18日には2ヵ月に一度の「ONGAKU」ゼミナールを駒場東大前の「オーチャード・バー」で開きます。テーマは「祝ローリング・ストーンズ来日」です。内容は未定ですが、これまでに体験したストーンズ・ライヴのことや、このブログでも書きましたがチャーリー・ワッツの話で盛り上がりたいと思います。お時間がある方は是非いらしてください。
そうそう、2月下旬にはようやく『ブルーノート・コレクターズ・ガイド』も出版されます。その出版記念イヴェントも版元が計画中です。これも決まり次第お知らせします。