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川隆夫の JAZZ BLOG
Profile

©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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「証言で綴る日本のジャズ」

「ジャケ裏の真実
ジャズ・ジャイアンツ編」
TALK EVENT■
小川隆夫ONGAKUゼミナール
@銀座le sept
3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


■TALK EVENT■
民音音楽博物館
「3月文化講演会」@神戸
3.26: 関西国際文化センター
コスモホール
TEL: 078-265-6595

詳細やその他ライナーノーツなどは 「Works & Information」へ>>
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2006-07-25 スパイクー・リーの『インサイド・マン』
2006-07-25 スパイクー・リーの『インサイド・マン』_e0021965_21395139.jpg しばらくスパイク・リーの映画は観ていなかったんですが、最新作の『インサイド・マン』を「新宿武蔵野館」で観てきました。
 スパイク・リーといえば、『ドゥ・ザ・ライト・シング』、『モー・ベター・ブルース』、『マルコムX』など、寵児として話題を呼んでいたころの作品は封切られると同時に全部観ていました。ニューヨークが舞台だったり、ジャズがテーマだったりで、興味があったんですね。社会派的な内容に考えさせられることも多々ありましたし。それから、せりふがとにかく気が利いていて面白い。そこにはまっていた時期があります。

 久々に観たスパイク・リー作品は、過去のものにくらべればエンタテインメント性が強調されていました。それでも、人種に関するせりふ、皮肉とユーモアがない交ぜになった会話、ニューヨーカーなら誰でもうなずいたり笑ったりするだろう機知に富んだいい回しとか場面は相変わらずです。
 デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター、クライヴ・オーウェン、ウィレム・デフォーが出演して、テーマが銀行強盗。もしハリウッドがこの素材で映画を作れば、もっと壮大でエンタテインメント性の高い超話題作になったかもしれません。
 ハリウッド映画にくらべれば、スケールが小さいことは否定しません。しかし、そこがスパイク・リーのスパイク・リーたるゆえんです。ぼくにはすごく楽しめる映画を彼は作ってくれました。

2006-07-25 スパイクー・リーの『インサイド・マン』_e0021965_2140755.jpg スパイク・リーの映画で楽しく感じるのは会話です。ブラック・ユーモアに近い冗談をいいながらも核心をずばっと突くせりふにニヤリとさせられます。日本語だと単なる冗談になってしまうことでも、英語だとそれがやけにスマートに映るんですね。ぼくもこういう会話を楽しみたいといつも思っています。
 うまく説明できないんですが、会話を楽しむっていうのは、楽しい話をするのとは意味が違うんです。言葉のキャッチボールを楽しむとでもいえばいいでしょうか。そんな会話ができる友人もいたんですが、そのひとは地方に引っ越してしまったので、たまにメールでのやりとりしかしなくなってしまいました。某レコード会社のひとともこれに近い会話をしていますが、お互いに皮肉を利かせてしまうので、ぼくがイメージしている会話とは少し違います。
 アメリカ人だとブランフォード・マルサリスとプロデューサーのマイケル・カスクーナがこのタイプですね。ただし、こちらの英語力が大幅に不足しているため、受け答えで楽しめる会話が成立しないところにもどかしさを感じています。
 こういう会話ができる友人・知人はなかなかできないものです。どういうひととならこういう会話ができるんでしょう? 何でもわかり合えるけれど、ちょっと距離がある関係。それと同世代であること。この辺にポイントがあるようです。
 あまり親しすぎてもだめだと思います。ちょっと遠慮をしながら、その遠慮を踏み越える瞬間を楽しむということでしょうか? 座談の楽しさというのが、ぼくのいいたいことに一番近いかもしれません。

 その面白さがスパイク・リーの映画には至るところで認められます。ストーリー自体はちょっとわからないところもありましたが、登場人物のせりふや会話がニューヨーク的で、こういう話ができたら羨ましいなぁと思わせられました。
 これは『シンデレラ・マン』のボクサーとマネージャー、それから『ミリオンダラー・ベイビー』のトレーナー同士の会話なんかにも認められました。冗談の中に知的なやりとりがあるんです。ただし、この「知的」なものも知性や教養ではなくてセンスなんです。
 翻ってみれば、自分は毎日いかに垂れ流しのようにしか言葉を発していないかということです。これからはもう少し気の利いた言葉を使ったり話をしたりしてみたいものです。なんていうことを、この映画を観てから考えていました。

2006-07-25 スパイクー・リーの『インサイド・マン』_e0021965_21402119.jpg そうそう、音楽はテレンス・ブランチャードが担当しています。このところニューオリンズに引っ込んでいてジャズの現場にはあまり出てこない彼ですが、すっかり映画音楽の色に染まっているようです。サスペンス映画向きの音楽をこの映画でも見事に作り上げていましたし。
 おそらく自宅のスタジオで録音したと思いますが、こういう仕事が性に合っているんでしょうか。それはそれでいいことなんですけれど、反面ちょっと寂しい気もします。ウイントン・マルサリスが回れ右をしてニューオリンズ・ジャズの継承に執念を燃やしているいまだからこそ、その穴を埋めてもらいたいんですけれどね。でも、人生いろいろですから、これはこれで素晴らしいと思います。
by jazz_ogawa | 2006-07-25 21:44 | 映画&DVD | Trackback(1) | Comments(4)
Tracked from DVDジャンル別リアルタ.. at 2006-08-24 04:50
タイトル : インサイド・マン
「マルコムX」の監督・主演コンビ、スパイク・リーとデンゼル・ワシントンで贈るクライム・サスペンス。銀行に立てこもった頭脳明晰な犯人と、敏腕捜査官たちとのスリリングな駆け引きを描く。共演にジョディ・フォスター、クライブ・オーウェンほか。... more
Commented by forcek at 2006-07-26 02:20 x
小川さん、観てきましたかー「インサイド・マン」ホントにオールスターキャストですよね、小川さんー確かにリズムがあり独特のウイットの効いた会話は特に日本人(日本語含め)には中々むずかしいですよね(笑)アカデミーやグラミーとかでも、クリス・ロックやビリー・クリスタルが司会の時とか俺はアアァーもっとこの感覚がわかればなーなんってよく思ってましたが(笑)スパイク・リーはNBAやヤンキースの試合等含め、すっかりウディ・アレンのようにニューヨークを感じさせる人物の一人ですね。
Commented by jazz_ogawa at 2006-07-26 07:52
forcekさん、そうなんですよね、粋な会話っていうのを、かっこつけずに自然体でできるといいですよね。それはそれとして、この映画、ぼくはかなり楽しめました。
Commented by shimizutoshifum at 2006-07-26 17:47 x
はじめまして。ぼくも『インサイド・マン』観ました。
言葉まわしのリズムが気持ちよかったですね。

そういえば、才気豊かな人って、結構喋りまくりませんか?アタマが良いことと、コミュニケーション能力が高いことはイコールなのでしょうか。
何かこの辺りを誤解している場合が多いのかな、て思います。黙って多くを語らずが良い、という様に。
Commented by jazz_ogawa at 2006-07-26 19:39
shimizutoshifumさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

コミュニケーションというのは、考えてみれば面白いし、奥が深いですよね。黙って多くを語らずっていうのもかっこいいんですが、それも相手次第ですしね。相手あってのコミュニケーションですから、そこの機微が面白いと思います。
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