今回はとくにこれといった収穫はありません。でも、日本で買おうと思っていたものが安かったりするので、そのあたりのものをいくつか買いました。ただ、考えてみれば、それを日本まで持って帰るわけですから、どうなんでしょう、安いといったって差額はたかがしれていますから。でも、それもまた楽しいということで、そこは割り切っていくつかCDを買いました。
『Johnny Cash At San Quentin(Legacy Edition)』(Sony)

日本を出るころからあちこちで見かけていた2CD+DVDのボックス・セットです。史上名高いサン・クエンティン刑務所でのライヴをコンプリート化したもので、31曲中13曲が未発表でした。1969年か70年にLPが出たときから好きなアルバムだったので、即買いです。
DVDは、ニューヨークのPBSで観たことがあるイギリス制作のドキュメンタリーです。1時間物で、看守や囚人のインタヴューなんかも含まれているので、演奏シーンはちょっと物足りません。でも、歴史的な映像がきちんとした形で手に入ったことになるので、これも嬉しいなぁと。
『The Bee Gees The Studio Albums 1967-1968』(Reprise)

これも日本で見かけて、のどから手が出るほどほしかったのですが、ちょっと値段が高くて、ニューヨークで安かったら買おうと思っていたボックスです。ビージーズがアメリカでリリースしたファーストからサードまでのアルバムに未発表テイクをバンバン追加したもので、それぞれのアルバムが2枚組の計6枚物です。
この時代のビージーズがぼくは大好きで、「ホリデイ」「ニューヨーク炭鉱の悲劇」「トゥ・ラヴ・サムバディ」「ワールド」「マサチューセッツ」「アイ・スターテッド・ジョーク」など、名曲がずらりと並んでいます。
各アルバムの1枚目はオリジナル・アルバムのモノラルとステレオの両ヴァージョンを収録したマニア好みの仕様で、ビートルズのキャピトル・ボックスやモンキーズのCD化と同じです。2枚目は、アルバムからシングル・カットされたヴァージョンや別テイク、そして未発表曲が目白押しで、シングル・ヴァージョンを別にすればほとんどが初登場のもので占められています。
ビージーズのアメリカ盤といえば、これら3枚はジャケット・デザインをクラウス・ヴーアマンが担当していました。サイケデリック調の図柄やレタリングが時代を感じさせますが、なぜかこのボックスでは各アルバムのジャケットにイギリス盤のデザインが使われていて、そこが意図不明です。
関係ないですが、ビージーズといえば、この時期にロンドンでザ・タイガースがレコーディングを行なった際に「スマイル・フォー・ミー」という名曲をプレゼントしています。この曲も本家のビージーズの歌で聴きたいんですが、そんなテープはないんでしょうか?
『Doors/Perception』(Elektra/Rhino)

ドアーズもレコードやCDで同じものを何種類か持っているのですが、こういうのが出されたら買わないわけにいきません。スタジオ録音された全6枚に、それぞれに対応するDVDがついたもので、封を開けていませんが、そうなると12枚組ということでしょうか? 封を開けたいのはやまやまですが、中身を傷めたくないので、お楽しみは日本までとってあります。

各アルバムにはボーナス・トラックがつき、DVDでは、5.1チャンネルのサラウンド・ミックス、さらにはニュー・ステレオ・ミックス、DTSの5.1チャンネル・ミックスその他と、さまざまなミックスが楽しめる上、2曲ずつヴィデオ・クリップもついていますし、フォト・ギャラリーも観られるようです。サラウンド・フェチのぼくとしては、1万5000円のベッドルーム・シアターでどんな音世界が楽しめるのか、おおいに期待しています。
『John Lennon/Remember』(EMI/Starbucks)

スターバックスで昨日あたりから見かけるようになったジョンのコンピレーションです。スターバックス限定発売で、デジパックの裏側にはお馴染みの「HEARMUSIC」のロゴマークが入っています。「#9ドリーム」から「スターティング・オーヴァー」まで全部で18曲。ごく当たり前の選曲ですが、内容は関係ありません。これでコレクションがまた1枚増えたということだけで満足です。無駄使いこそコレクターの王道ですから。で、これって日本のスターバックスでも売るんでしょうか? 売らないでほしいとせこいことを願うのもコレクターの王道です。
『The Beatles/Love(Special 2 Disc Edition』(Capitol)

これも珍しくも何ともないんですが、アメリカ盤のスペシャル・エディションが日本で手に入らなかったので買いました。リリースされた当初、アマゾン、レコファン、ディスク・ユニオン、HMV、タワーとかでアメリカ盤を探したんですが、スペシャル・エディションはEU盤しか入荷していませんでした。最近はチェックしていないので日本でも買えるのかもしれませんが、15ドルは魅力でしょう。よそでは23ドルとか25ドルなんですが、贔屓のDisc-O-Ramaではこの値段でした。ちなみにドアーズのボックスも100ドルで買いました。Virginでは170ドルしますし、これがこちらでは妥当な価格です。Disc-O-Ramaはどういうルートで仕入れているんでしょうね?
『Neil Young/Living With War(In The Beginnig)』(Reprise)

しばらく前に出たニール・ヤングの反ブッシュ・アルバム『リヴィング・ウィズ・ウォー』の「Raw Version」です。「Raw Version」というのは、レコーディングしたままの素の状態を意味しているようで、ビートルズの『レット・イット・ビー:ネイキッド」と同じです。こちらにはオーヴァー・ダヴィングや荘厳なコワイアは登場しません。シンプルなロック・サウンドが却ってメッセージをストレートに伝えています。
そして、これにもDVDがついてきます。内容が凝っていて、CNNみたいなニュース仕立ての映像で、ブッシュや戦闘シーンなども盛り込まれています。ただし、大半はガレージのようなスタジオでレコーディングしている風景や、こちらのアルバムには入っていませんが、コワイアを録音している風景などです。それらを1曲ずつまとめて全10曲分のクリップにしたものを収録したこのDVDも、ぼくのようなニール・ヤング・ファンには応えられません。