
昨日はHi-FiのDJイヴェントに行ってきました。今回は初めての試みで、夕方の4時スタートです。ぼくは4番手で、5時半から回しました。この時点でお客さんはほとんどいません。最初からそのあたりは予測していました。
お客さんがいようがいまいが、どのみち自分の楽しみでやっていますから、久々にブルーノートのアシッド系をかけて、いい気持ちの45分間を過ごしました。ひとがいないっていうことは、タバコの煙も少ないっていうことですし。
順不同ですが、こんな曲をかけました。
【songlist】
1. Ronnie Laws/Always There
2. Lou Donaldson/If You Can't Handle It, Give It To Me
3. Gene Harris & The Three Sounds/Book Of Slim
4. Moacir Santos/Off And On
5. Alphonse Mouzon/Sunflower
6. Bobbi Humphrey/Uno Esta
7. Carmen McRae/You're Everything
8. Horace Silver/Swinging The Samba
9. Duke Pearson/Upa Neguinho
10. Charlie Rouse/Samba De Orfeu
11. Horace Parlan/Headinf South

こういう曲を聴きながら、思い出したことがあります。ぼくがこの手のレコードをせっせと買い込んでいたのは1970年代のことです。当時はこういうレコード、中古盤なら300円とか500円、高くても1000円くらいで大半が買えました。
渋谷なら、昨日の店のすぐそばにある「JARO」や、そのころは公園通りにあった「ディスク・ユニオン」なんかで買っていたんですが、そういうレコードがいまやそこそこの高値で取り引きされているようなんでびっくりです。
この程度の値段で買えたから、ブルーノートのコンプリート・コレクションもできたんでしょうね。いまなら絶対に無理です。それこそ、いまでいうところのレア・グルーヴやアシッド・ジャズ物が格安でゴロゴロあったんですから。

脱線しますが、昔くずのように扱われていたレコードがいまでは高嶺の花みたいになっている例ってあまりないように思います。たとえば、アイドル物なんて昔もいまも二束三文です。ロックだって、すぐに思い浮かぶものはありません。
まとめてナンボみたいなレコードが、下手をすると5桁の値段で取り引きされているのは一部のジャズだけとはいわないですが、まあそんなところじゃないでしょうか? だって、昨日回したアーティスト、もしくは作品のほとんどが1970年代は無視されていたんですから。
スリー・サウンズとか、昨日は回しませんでしたがジミー・スミスのレコードなんかはまったく相手にされていませんでした。日本のジャズ・ファンって、当時はたいていのひとがシリアスなジャズを好んでいたので、この手のタイプは邪道と見られていました。ジャズ喫茶では、オスカー・ピーターソンのレコードだってリクエストするのにちょっと躊躇する雰囲気がありましたから。
ところがぼくはへそ曲がりな性格なもので、低俗と多くのひとに思われていたこの手のジャズに強い愛着を覚えていました。なんてかっこつけていますが、本音はもっと単純、つまり安かったからです。
ぼくには本末転倒なところがあって、何でも数が増えると嬉しいんですね。俗にいう名盤が新品で2500円するなら、駄盤と呼ばれているものを300円で8枚買ったほうが嬉しいと思う人間です。そうやって片っ端から買っていったら、それらがいまでは欲しがっているひとの多いレコードになってしまったんですから、世の中って不思議です。

何をいいたいのかまったく考えず、思いのままに書いてしまいました。強引に話をまとめるなら、やっぱり自分の欲望におもむくまま行動するのがいいんじゃないかっていうことです。それが一番後悔しない方法です。
ぼくは何事も深く考えずに思いつきで動いていますし、そうやって生きてきました。それで失敗したり損をしたこともたくさんあります。それでもすべてをひっくるめて考えてみると、帳尻としてはプラスになっているように思います。だって、ただいま現在の自分に納得していますし、不満がありませんから。ただし、これも大雑把に考えての話です。日常的に納得しないことや不満だってもちろんあります。
書けば書くほど無意味な話になってきましたから、もうやめましょう。
そうそう、ガラガラだった昨日ですが、食事をして8時ごろに戻ったら、動くのも大変なほどお客さんが入っていました。『愛しのジャズメン』を出してくれた東京キララ社の社長もDJ仲間で、昨日はぼくの次にゲストDJとして参加してくれました。
ついでに会場で本も売ってくれていたようで、戻ってきたらいろいろなひとから本にサインを頼まれました。有難いことです。社長によれば、いまのところこれまでの本より出足がいいとのことでした。これまた有難いことです。
今日は母の日なので、これから実家に戻ります。では、では。