ようやくぼくのところに刷り上った本が届きました。先日の『ジャズマンが語るジャズ・スタンダード120』(全音楽譜出版社)に続いて、『決定! JAZZ黄金コンビはこれだ!!』(河出書房新社)と『ザ・ブルーノート、ジャケ裏の真実~1500番台ライナーノーツ全解読』(講談社)です。
『黄金コンビ』は本日、『ザ・ブルーノート』は明日から店頭に並ぶことになっていますが、配本の関係で若干ずれることもあるでしょう。さきほど確認しましたが、Amazonではどちらも受け付けています。
『黄金コンビ』はこの間宣伝しましたから、今回は『ザ・ブルーノート』の宣伝をしておきます。6月30日の朝日新聞・夕刊に打つ広告のキャッチ・コピーは「ジャズの世界的名盤のジャケットの裏に、アメリカの評論家は何を書いていたのか!?」
今回の本は、このコピーからもわかるように、オリジナルのライナーノーツに書かれていた興味深い内容を拾い出し、そこから当時の評価やジャズの状況がどんなものだったかを書いたものです。
とはいっても、それがすべてではなく、その上でアルバムの紹介になることもいろいろ書いてみました。簡単にいえば1500番台のディスク・ガイドですが、ライナーノーツの文章を引用しながら、ぼくなりの解釈でそれぞれのアルバムを紹介したという形でしょうか。
ブルーノートのライナーノーツって、ぼくたちが知っているいろいろなエピソードの出典に結構なっているんですね。過去にいろいろなひとが、さまざまなことをここから引用してきました。それがいつの間にか定着したようです。出典は不明になっていることが多いんですが、改めてすべてのライナーノーツを読んでみて、そのことを実感しました。ただし、それらをこの本で紹介してもあまり意味はないので、この本ではどうでもいいエピソードやトリビア的なものを優先しています。
ブルーノートの場合、ひとりのアーティストが何枚もアルバムを出しているので、筆者が違っても同じような情報が繰り返し出てくるケースがあります。たとえばジミー・スミスは1500番台の98枚中に13枚の作品を残しています。そうなると、どうしても内容が似てくるので、それらの中から興味深いものを探して引用するのは意外と大変でした。
でもこの本を読んでいただければ、1950年代半ばのニューヨークにおけるジャズ・シーンがどんなものだったか、当事者が書いた文章を紹介しているので、ある程度は実感してもらえるかもしれません。
それからもうひとつ。帯には平野啓一郎さんがコメントを寄せて下さいました。大作『決壊』の出版準備でお忙しい中、ありがたいことです。
ところで、今年はアルフレッド・ライオン生誕100周年です。それもあって、この本を出しました。彼がいなければ、多くのジャズ・ファンもそうでしょうけれど、これほど楽しい人生は過ごせませんでした。ですから、この本にはライオン・トリビュートの思いも込めています。
それで、これもブログで紹介しましたが、「ライオン生誕100周年特集」のジャズ批評144号が昨日発売になりました。こちらは巻頭で、EMIミュージック・ジャパンの行方均さんとした対談が載っています。
この本、口絵のカラー・ページが凄いです。ライオンがプロデュースしたアルバムのすべてが、10インチLPも含めて掲載されています。写真が小さいのは残念ですが、快挙といっていいでしょう。これだけでも見ごたえ十分ですから。
今月はもう1冊、本が出ることになっていました。ところが、こちらは諸般の事情で遅れています。印刷所に回っているということなので、刷り上るのは間違いないと思いますが、どうも流通の点でトラブルが生じているようです。
新しい出版社なので、いろいろといじわるをされてるみたいです。問題もあるんでしょうが、みんなで仲良くやればいいのにねぇ。でも、ビジネスとなればそうもいかないのでしょう。それでも、ぼくだったら敵に塩を送りますけどね。
それで、晴れて出版の暁には、こちらも宣伝させていただきます。