このところ面白い映画がないので、もっぱらDVDを観ています。外出先ではiPhoneかiPod touch、家では42インチのAquosなので、極端に小さな画面とそこそこ大きな画面で観ていることになりますが。
しかしいざ観ようと思うと、どうしても過去に映画館で観た作品が優先されます。それで気がついたのですが、自分が気になる映画はたいてい映画館で観ているんですね。一度も観たことのない映画で観たいものはそれほどありません。
ただし物忘れが激しいので、ちょっと前に観た映画でも、ほとんど初めて観るような感じです。ストーリーもはっきりと覚えていないからそれなりに楽しめます。平均すると3日に2本くらいのペースでしょうか。最近は、1960年代のフランス映画を好んで観ています。
それでは今月に入って観たものをいくつか。
『太陽がいっぱい』
アラン・ドロンの代表作ですが、何年か前にリメイクされたものも飛行機の中で観ました。1年くらい前でしょうか、彼がテレビの『AMAP X SMAP』に出ていましたが、そのときの偏屈親父ぶりが面白かったですね。若いときのアラン・ドロンはやっぱりかっこいいです。彼の映画では『ショック療法』というカルト的(?)な作品があって、ドン・エリスのエレクトリック・オーケストラがサウンドトラックを担当していました。この2枚組、CDにしてほしいんですが、ソニーの歴代担当者はひとりも首を縦に振ってくれません。
『太陽はひとりぼっち』
こちらはミケランジェロ・アントニオーニの映画。アラン・ドロンがモニカ・ヴィッティと共演した作品です。モノクロの映像が雰囲気を出しています。倦怠感というか退廃的というか。中学のときに観ましたが、そのときはまったく理解できませんでした。ぼくとは思考回路の違う主人公に共鳴はしませんが、いまなら理解はできます。
『冒険者たち』
アラン・ドロンついでに、ぼくのフェイヴァリット・ムーヴィーも観てしまいました。これは繰り返し観ているので、せりふもいくつか覚えています。アラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラの友情物語を軸に、大好きな女優のジョアンナ・シムカスが絡みます。舞台設定もストーリーも、ぼくの憧れるものです。結末は虚しいですが、男ならこういう友情と恋愛感情を一度は夢見るんじゃないでしょうか。
『恋するガリア』
高校時代はジョアンナ・シムカスとミレーユ・ダルクがアイドルでした。ミレーユ・ダルクが一躍人気を獲得したのがこの映画です。たいしたストーリーじゃないですが、彼女のコケティッシュな魅力はいまも色褪せていません。こんな女性に振り回されたくないと思いつつ(ぼくとつきあってくれるわけもないですが)、ついつい最後まで観てしまいます。ミレーユ・ダルクの映画では『エヴァの恋人』もよかったですが、これはDVD化されていないみたいです。
『あの胸にもう一度』
このころのマリアンヌ・フェイスフルは本当に可愛かったですね。付き合っていたミック・ジャガーがうらやましかったです。これは、その彼女とアラン・ドロンの共演作。ふたりがどうなるのか。応援したい気持ちが半分、反対したい気持ちが半分、といったところでしょうか。フランス映画的な結末にちょっとがっかりしたのは、主役のふたりがかっこよかったからです。かっこよければなんでも許してしまう。ぼくにはそういうところがあります。
『悲しみよこんにちわ』
フランソワーズ・サガンの小説は少女趣味っぽくてほとんど読んだことはありませんが、この映画は好きです。デヴィッド・ニーヴンの洒落男ぶりがいいですし、その上、娘のセシルを演じたジーン・セバーグがなんともいえない魅力を発揮します。デボラ・カーもこういう役を演じたらぴったりです。『華麗なるギャッツビー』もそうですが、大金持ちは自分の家や別荘に長期滞在のゲストを招くんですね。そういう生活に上流社会の洗練さが覗ける映画でした。
『太陽の下の18歳』
ついでにイタリア映画からカトリーヌ・スパーク物を。どうしようもない内容ですが、彼女も当時はアイドルでした。でもこの映画、昔観たときのイメージと違ってカトリーヌ・スパークの魅力全開とはいえない内容でした。それより、久しぶりに聴いた主題歌がよかったですね。中学のときに組んでいたエレキ・バンドでこの曲をやっていたんですが、一瞬にして当時の情景が甦りました。
『狂ったバカンス』
これもカトリーヌ・スパークの代表作。いかにもイタリア的なストーリーで、こちらのほうが彼女のキュートな魅力がよく出ているかもしれません。B級ムービーですが、イタリア映画はこういうもののほうが面白いかもしれません。この手の映画を観ていると、内容よりその時代の自分のことをいろいろ思い出すことができます。それがぼくには楽しいのかもしれません。
もっといろいろ観ているのですが、きりがありませんのでこのくらいにしておきます。