
ストーンズ、GS、ブッカーTとMG's、そして23日の日曜日は上原ひろみさんのコンサートと、節操なくいろいろな音楽を楽しんでいます。上原さんのコンサートの前日は、中学や高校の同級生が集まっての忘年会。ぼくたちの仲間はみんなバンド崩れなんで、しろうとながら、ボサノヴァ、ポップス、イーグルス、キンクスなど、さまざまな音楽を代わる代わるに披露して、楽しい一夜が過ごせました。それにしても、中学や高校からずっとバンドをやっている連中もいて、あきれるやらうれしいやらです。ぼくも頑張らなくては。
で、上原さんのコンサートですが、「東京JAZZ」でも聴いていますし、サウンド的には大きく変わっていません。ただし、ギタリストのデヴィッド・フュージンスキーが来日できなかったため、今回はジョン・シャノンが参加です。フュージンスキーは12月のツアーに参加するそうです。そのほかのメンバーはいつものとおりでベースがトニー・グレイでドラムスがマーティン・ヴァリホラ。

今回も、現時点での最新作『ビヨンド・スタンダード』のサポート・ツアーで、この中の曲を中心に演奏されました。開演前に場内で流れていたモダン・ジャズ・カルテットの「朝日のようにさわやかに」の途中から上原さんがステージに登場し、それを引き継いで弾きながら、やがて彼女ならではの「朝日のようにさわやかに」になります。こういう演出、いいじゃないですか。
二部だったかな? で演奏された「上を向いて歩こう」のアレンジも好きです。あとは終わり近くにソロで演奏した「アイ・ガット・リズム」。この曲をいろいろなスタイルで演奏するのですが、ジャズ・ピアニストとしてきちんと基礎からマスターしていることがよーくわかる内容でした。こういうのを聴くと嬉しくなります。
あとはフュージンスキーのヴァージョンもいいと思いましたが、ジョン・シャノンが弾いた「キャラヴァン」も楽しめました。昔ギターを弾いていたので、どうもギタリストが気になります。ぼくの場合、「キャラヴァン」はヴェンチャーズのコピーでしたが(笑)。

上原さんの挨拶でいい言葉を聞きました。「毎日が千秋楽のつもりでツアーをやっています」。自分の娘と同じ歳の女性からひとつ教わりました。こういう言葉が聞けるって、とても素敵な体験です。
それからメンバーは、トニー・グレイがイギリス、マーティン・ヴァリホラがスロヴァキア、そしてジョン・シャノンがアメリカと、インターナショナルです。こういう国際色豊かなメンバーで上原さんが独自の音楽を作っているところにも、ジャズの将来に期待が寄せられと思います。
アメリカ発のジャズがインターナショナルな音楽になったのは相当以前のことですが、その延長線上にあるものとはまったく違う何か(言葉ではうまく表せません)をぼくは感じます。そこに今後の可能性が見えてくるようで、だから上原さんの演奏は好きなんですね。
この日は「国際フォーラム」のホールCでのコンサートでしたが、12月24日にはホールAでのコンサートが予定されています。ぼくはニューヨークに行っているので、その日は行けません。これが今回のツアーのファイナルだそうです。ですが、すでにチケットは売り切れとか。前回もそうでしたが、5000人収容のホールAを売り切れにしてしまう人気も嬉しく思います。