一昨日は銀座にあるバー「le sept」で今年最初の「ONGAKUゼミナール」をやってきました。いつも満員になりうれしい限りです。いらしてくださった皆さんありがとうございました。相変わらずのいい加減な話で終始しましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
今回は1974年から81年まで、毎週日曜の夜11時から30分間放映されていたTBS-TVの音楽番組「Sound In "S"」にヒントを得て、ぼくがこの番組を作ったらこんな音楽、こんなアーティストを使いたい、というコンセプトで選曲してみました。せっかくの機会なので、ジャズ以外の曲も後半はかけています。
この番組、フジTVの「ミュージック・フェア」に対抗して作られたと聞いています。「ミュージック・フェア」よりもう少し上の世代を狙おうということで、ジャズやジャズっぽい音楽もけっこう紹介されていたと記憶しています。
そういう内容にするため、音楽監督は世良譲さん、コーラスはタイム・ファイヴが担当していました。この番組のお蔭で世良さんも一般的な人気を獲得しましたし、世良さんと組むことが多かった北村英治さんもそれまで以上にメディアに出るようになったと記憶しています。ふたりともロマンスグレーで品がよくて、お茶の間の人気者になって当然です。
あと、この番組で人気を爆発させたのがしばたはつみさんや松崎しげるさんじゃなかったでしょうか。実力派シンガーがたくさん出ていたことも記憶に残っています。司会は、初代が佐良直美さんで、その後にいしだあゆみさん、伊東ゆかりさんと続きました。
それで、ぼくが選ぶとこういう曲になります。
a【SIDE A:インスト編】
1.北村英治/アマポーラ
2.世良譲/ミスティ
3、山本剛/追憶
4.菅野邦彦/フィンガー・ポッピン
5.渡辺貞夫/ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
6.鈴木良雄/ウイングス
7.日野皓正/マイ・ファニー・ヴァレンタイン
【SIDE B:ヴォーカル編】
8.タイム・ファイヴ/ローラ
9.マーサ三宅/アルフィー
10.伊藤君子/フォロー・ミー
11.ブルー・コメッツ/ラヴ・レターズ
12.弘田三枝子/オーヴァー・ザ・レインボウ
13.美空ひばり/ダニーボーイ
14.江利チエミ/カモナ・マイ・ハウス
15.雪村いずみ/昔のあなた
16.ブレッド&バター/あのころのまま
17.南佳孝/夕日追って
18.加藤和彦/ディセンバー・ソング
15曲目あたりからいつもとはタイプの異なる曲をかけました。ここ何年も、ぼくは昔を振り返る歌が好きでたまりません。雪村いずみさんの歌は、昔の恋人と何十年ぶり(たぶん)に偶然再会したときの思いを歌った服部良一さんの隠れた名曲です。
ブレッド&バターの歌は、先月のブログにも書きました。南佳孝さんの歌も、「夢はいつも掴めそうで、すぐにしぼんでしまう泡のようなもの」と振り返ります。こういう歌詞に自分のこれまでを重ねると、なんだかジーンとくるんですね。ほろ苦いような、それでいて「後悔はしていないぞ」みたいな気持ちになります。
雪村いずみさんタイプの曲には、ユーミンの「グッドラック・アンド・グッドバイ」とか森山良子さんの「30年を2時間半で」もありますよね。こういう曲がいいと思えるようになったというのは、こちらも歳を取ったということですね。
今年は、あんまり歳のことには触れないようにしようと思っているのに、結局はこうなってしまいました。最近は、毎回同級生が来てくれるので、とくに昔を振り返る気持ちが強くなっているかもしれません。
最後にもう一度、昨日はWBCの日韓戦があったにもかかわらずお越しいただき、本当にありがとうございました。日韓戦は歴史的な圧勝で、WBCのこれからが楽しみになってきました。