先月のライヴが相当楽しめたので、昨日はその興奮をもう一度味わいたくて、「ブルーノート東京」でクオシモードを聴いてきました。ワン・デイ・ライヴということもあったでしょうが、2回のショウは早い時点でソルドアウトになっていたみたいです。
ライヴは相変わらずご機嫌な内容でした。クオシモードはいってみれば4人編成のリズム・セクションで、そこにライヴの都度ホーン奏者が加わる形になります。基本は2管セクステットです。このホーン・プレイヤーが、前回もそうでしたが、いい感じでハード・バップしています。今回はゲストとしてさらにサックスとトランペットが加わり、ステージの終盤は8人編成でブルーノートのサウンドを現代に蘇らせていました。
ただしこのグループ、60年代のサウンドをそのままコピーしている感じではないんですね。ブルーノートのサウンドでありながら現代のジャズになっているところがいいです。こういうのって、頭ではわかっていても、いざ音にしてみるとなかなかうまくいきません。
世界中でそういうことをやっているグループはいくらでもありますが、みんな苦労しているみたいです。でもこのクオシモード、それをいとも簡単にクリアしていました。実際は簡単じゃないのかもしれませんが、はたから観ていると簡単にやっている感じで、そんな姿が好ましいです。勉強なんかぜんぜんやっていないといいながら、涼しい顔して100点取っちゃうようなものでしょうか。
それにしても彼らはいい選曲をしています。お洒落なイメージでジャズを演奏しているんですが、やっているのは本格的なジャズで、そういうところも魅力です。こういうグループがジャズを聴くとっかかりになるといいですね。
ぼくのイメージとしては、勢いのあったころのジャズ・メッセンジャーズ。わかりやすいし、ノリがいい。それでいてソロは本物志向ですから。それから、結構細かいところまでアレンジしているのかもしれません。いろいろ決めのパターンが出てきます。どこまで譜面に書き込んでいるのかわかりませんが、リズムの決まり具合とか、ソロとバックの対応だとかが聴いていて気持ちいいです。そこがグループ活動を続けている強みでしょう。譜面に書いたのではなく、演奏を重ねるうちに自然に出来上がった決まりごとかもしれませんが。
ひとつのグループが少しずつ人気を獲得し、だんだん大きな場所に出ていく姿を目の当たりにするのは気持ちがいいですね。売れてきたことが一緒に肌で感じられます。クオシモードにとって「ブルーノート東京」の出演はこれが初めてです。次は5月に渋谷の「O-East」でライヴが決まっています。その後はどんな舞台が待っているんでしょう。ぼくもしばらくは彼らのステージとつき合っていこうと思います。